IRECセンター長便り ~電力について考える~
発電とは、エネルギーを電力に変換することです。自然界は雷という発電を起こしています。地球も北極と南極が地磁気で結ばれた巨大な発電機です。
地球は誕生以来46億年、内部コアからマントルを突き向け熱と磁力を発しています。「電気、磁力、熱」は地球システムを正常に機能させる基本的な働きといえます。中学生の理科の時間に、必ず発電実験というのがありました。コイルを巻いて磁石を回転させると電磁誘導によって電気が発生する。すべてはこれが基本です。
磁石を回転させる運動エネルギーを何から得るか。私たちはこれまでほとんど無関心でしたが、これからはそうは行きません。これまでは政府、経産省、電力会社がこのエネルギー政策を決めてきました。
しかし、福島原発事故以来、「安全性、コスト、供給力、世界の潮流」など総合的観点から、私たちもその選択に関わらなくてはなりません。これが電力の自律の第一歩です。
発電方法は大きく分けて二つです。( )内%は発電シェア
1)発電機による発電
①火力発電 燃焼により熱で蒸気タービンを回す発電。燃料:石油(7%)、石炭(25%)、天然ガス(29%)計61%
②原子力発電 核反応による熱で蒸気タービンを回す発電。燃料:ウラン⇒29%
③水力発電 水の位置エネルギーでタービンを回す発電。自然エネルギー⇒8%
④地熱発電 地熱により蒸気タービンを回す発電。自然エネルギー
⑤風力発電 風の運動エネルギーによりタービンを回す発電。自然エネルギー
2)直接電力変換による発電
①太陽光発電 太陽エネルギーを太陽電池で直接電力に変換。自然ネルギー
②燃料電池 水の電気分解の逆で水素と酸素の化学反応で発電。自然ネルギー
この分類はさらに「火力・原子力」と「その他」に分けることができます。「火力・原子力」は再生不能エネルギー、巨大一極集中型です。そしてエネルギー海外依存です。
「その他」は再生可能エネルギー、多極分散自律型発電といえます。再生可能エネルギーはCO2をほとんど出しません。エネルギー源は国内にありますから、地産地消です。
ここから未来の電力の在り方が見えてきます。