IRECセンター長便り ~恐竜と東京電力~
こんにちは、IREC(国際リサイクル教育センター)センター長の鶫です。
「恐竜がなぜ滅びたか」は古代の謎ですが、有力説は巨大隕石衝突説です。「6,500万年前、巨大隕石がメキシコのユカタン半島に激突して、土砂や煙が大気に充満し、太陽光線が地上に届かなくなり、寒冷化して恐竜が滅亡した。」というものです。これを証明するものとして、中生代白亜紀と古生代第3紀の境界の地層に他の惑星の物質イリジウムが世界中に発見されるというものです。
様々な仮説がありますが、恐竜は2億3千万年ほど前に地球上に現れました。最初は小型だったものが1億6千万年もの長期に亘る間に、巨大化し、地球を支配したことは事実です。そして、6,500万年前に突如として絶滅したのも事実です。何が引き金になったかは推測の域ですが、気候変動が原因であることは確かです。強烈な気候変動が起きて巨体ゆえか、変温動物ゆえか、ともかく適応出来なくなって滅んだ訳です。
東京電力も恐竜です。首都圏、関東・新潟エリアで日本の3分の1の電力を供給し、超安定有力企業として君臨してきました。電力供給という公共性ゆえに独占権が与えられ、電気料金は公共料金として、常に黒字経営が保証されています。電力供給事業者としての優位性から得た利益はTV・マスコミ・その他のスポンサーとして出資し、東電・原発批判はタブーとなっていました。その東電に起きた福島第一原発事故は巨大隕石による恐竜絶滅と重なるものがあります。
恐竜がいなくなって現れたのが、ネズミのような小型の哺乳類です。恐竜時代には怖くて平原に出ることが出来なかったが、自由に走り回る空間が出来て、どんどん進化し、その最先端にいるのが400万年前に登場した人類の祖先アウストラロピテクスです。ネズミが我々と繋がっているとは思いたくはありませんが、生物分類学上の話です。
東電の原発関連賠償額は数兆とも数十兆とも、一私企業の枠を超えた桁外れのものです。したがって、GMのように一時的に政府の株式保有による国有化が検討されるでしょう。国有化とは「国民もの」となる意味ですから、次のような未来が開けてきます。
「電力を自由化して、世界一高い電力料金の値下げを実行します。一般への参入を阻んできた電力会社の発電、送電、配電を開放します。電力の自由化により、自然ネルギー電力が増えます。現在の余剰電力買取制度ではなく、個人や企業間で電力の融通が可能になります。また、EV(電気自動車)を蓄電池として利用すれば、必要な時に使うことも出来ます。これらを携帯やパソコンと組み合わせてCO2削減を目指すのが、米国で進められているスマートグリッド(次世代電力網)です。」
恐竜が絶滅して小型哺乳類がわが世の春を迎えたように、電力自由化によってソーラー発電や地域の中小企業が再生可能エネルギー発電事業に参入し、自由に送電網を使って売買する時代がやってきます。それは棚からぼた餅が落ちてくるのではなく、我々市民一人ひとりが事実を知って、粘り強い行動をした時に初めて成果として得られるものです。